日本の寒冷地における良食味米栽培(日语原文)

丹野 久

(北海道米麦改良協会 日本 北海道札幌 060-0004)

摘 要:日 本最北の 稲 作地 帯 である北海道では、冷 涼な 気 候の 変変 の影響 を避けて良食味米を生産するため、アミロ ース含有率(アミロ ース)と精米蛋白 質含有率(蛋白)の低下技 術 が 開開された。アミロ ースは栽培品種 の影 響 が大きいが、唯一登熟 気温が高いほど低 下するため、早植えや 葉令が大きい苗で出穂 を促 進 する。蛋白では、窒素施肥標標量を、 稲 作地 帯の 気象条件による 20区分と各5 土 壌 型 別 に、 過 去の収 量 実 実 による 設 定基標収量から蛋白7.0% 以下を目標 に 決 める。さらに可給 給 窒素量による施肥 増増 、前年秋と当年融雪後での降水量と 気 温による乾土効 果および有機物施与に 対対 した 増肥も行う。さらに、追肥の回避、泥炭土での客土やケイ酸 資材の施与を行う。初期生育の促 進 技 術 として健苗の育成、移植 適 期内の早植え、密植、浅植え、 側条施肥、および移植後での水温上 昇のため夜または早朝の入水や 強強地 帯 での防 強 施 設設 置がある。また不稔多 開の回避ための幼 穂形成期から 穂ばらみ期の深水がある。登熟期 間には、落水 時期に注意し, 適 正な土壌水分を保持する。 収収 後の 稲 わらは、多 収 と低蛋白のため堆肥化が最善だが、土 壌 に直接 鋤 き 込むとしても春を避けて秋に行う。

关键词:良食味米;蛋白質含有率; 寒冷地 帯; アミロ ース含有率; 栽培テクノロジー

2019年中日稻米产业科技研讨会特约专栏文章之二(特邀专家)

北海道は日本における最北の 稲 作地 帯であり, 緯度は北海道中央部 滝 川市が 長春市とほぼ同じ北 緯44度であり佳木斯市同46度よりも南に位置する。 気候は日本で最も冷 涼 で, 稲作期間中の気温条件は,生育前半の6,7月が,これら中国の 両市よりも低く,後半の8,9 月は同両市の中 間である(図1)。

図1 日本の北海道滝川市と他の2市および中国の佳木斯市と長春市における平均気温の推移

注: 長 春市は http://world-season.com, 佳 木斯市 はhttps://www.chinaviki.com/service/china-weather/Heilongjiang/Jia-Mu-Si/の 日最低最高 気 温の平均,他は日本 気象 庁アメダスによる。

そのため, 気象の年次 変変 が水 稲の生育に大きく影 響し,例えば4年に1 回は冷害が 開生すると言われる。その 変変 は 収量だけでなく,食味に 関関 が深い精米蛋白 質含有率(以下,蛋白)やアミロ ース含有率(同アミロ ース)にも大きく影 響する。すなわち,ご 飯は蛋白が低く,アミロ ースも低いほどおいしい[2](図2)が,アミロ ースは登熟 気温が高い年次には低くなり,年次 変変 幅が大きい(図3)。また,蛋白は冷害年に高くなり,さらに同一年次内でもその幅が大きく,流通 販販 上の 問問となっている。そこで,良食味米を生 産するために,以下のような両含有率の低下技 術 が指 導されている。

図2 アミロース含有率が異なる年次における精米蛋白質含有率と食味官能総合値との関係[1]

注:デ ータは各 3~18(平均 9)の平均。「ほしのゆめ」を食味基 標 品 種 として,「ゆめぴりか」の食味を 評評。精米蛋白 質含有率の6.2%は6.0%以上6.5%未満。「ほしのゆめ」のアミロ ース含有率は2009年23.8%,2010年20.9%で,それに比し「ゆめぴりか」は各-4.8,-5.6%と前年よりも後年でさらに低い。

図3 精米蛋白含有率とアミロース含有率の年次変動[3]

注:北海道全域における各年次で518~6029(平均3075)サンプルの平均。供 試 品 種は「きらら397」。

1 アミロース含有率の低下技術

1)出穂の早期化

北海道の栽培主要4 品 種 のうち3品 種は,日本 穀物 検定 協会の食味ランキングで最高の「特A 」となっている家庭炊 飯用で,他の1品種は業業用である(表1)。これら4品種のアミロ ースは15.4~20.1% と大きな差 異がある。一方,蛋白は熟期がやや 遅 い1品 種でやや低いが,他の同熟期の3 品 種 では大きな差 異はない。

このように,アミロ ー スは品 種 固有の遺遺的特性であり,栽培 環 境の影 響はほとんど受けないが,唯一,登熟 気温とは明 確な 負 の相 関を示し,登熟 気温が高いほどアミロ ースは低くなる(図4 )。そのため,早植えや 葉令が大きい苗によって出 穂 を促 進 し,登熟 気温を高めることでアミロ ースを低下できる(図5)。

表1 北海道うるち主要良食味品種の食味関連形質

注:作付け比率は2017 年の北海道全うるち作付面 積99,004ha に占める割合。食味ランクは日本 穀 物 検 定 協会の食味ランキングで「特A」は最高ランク,また'10は2010 年。アミロ ー ス含有率と精米蛋白 質 含有率は道 総 研中央 農業試農農での2012~2013年の平均。

品種名 作付 食味 食味 アミロ 精米 熟期 用途け ランク ース 蛋白質比率 特A評価 含有率 含有率(%) の期間 (%) (%)ななつぼし 49 上下 '10~'18 19.1 7.3 中生の早 家庭炊飯用ゆめぴりか 22 上中 '10~'18 15.4 7.4 中生の早 家庭炊飯用ふっくりんこ 7 上下 '14~'16 20.0 7.0 晩中生の 家庭炊飯用きらら397 10 中上 - 20.1 7.5 中生の早 業務用

図4 出穂後40日間の日平均積算気温とアミロース含有率との関係[4]

注:北海道15地域,1991~2006 年のデ ー タによる。回帰式,y=-0.0137x+31.776.**:1%水標で有意。

図5 移植時葉数とアミロース含有率の関係(上川農試1991,1992年)[5]

注:○(実実)は1991年でr=-0.643***(n=26),●(破実)は 1992年で r=-0.446*(n=22)。***,*:0.1,5%水標で有意。

2 精米蛋白質含有率の低下技術

1)土壌型

土 壌型では泥炭土が多く分布する地 帯ほど,蛋白が高い(表2 )。これは,水 稲の生育後半まで土 層深部から 窒素放出が 継継するためである[6]。 泥炭土は水田土 壌 における比率も比較的高いため,その 対策が重要である。泥炭土壌には,とくに砂 質 土 壌の客土を行うことにより幼 穂形成期までの窒素吸 収率を高め,成熟期までの窒素吸 収 量を低 増することにより,蛋白を低下させることができる(図6)。

表2 北海道稲作15地帯における土壌型比率の最小,最大,平均値およびその精米蛋白質含有率との関係[4]

注:相 関関数で,*,***は各5,0.1%で有意(n=15)。

帯土 型 最小 最大 平均壌各地 での比率 土 型比率と精米蛋白関関壌含有率との相 数泥炭土 0 43 15 0.785***褐色低地土 7 27 19 -0.596*灰色低地土 36 69 47 -0.514*グライ土 3 13 6 -0.482

2)ケイ酸施用

図6 異なる深さの客土を行った泥炭土圃場における時期別窒素吸収率と精米蛋白質含有率の比較[7]

ケイ酸吸 収は窒素玄米生 産効 率(玄米 収量/吸 収窒素量)を高め蛋白を低下させる(図7)。そのため,ケイ酸 質肥 料を土壌 改良材に使ったり,幼穂 形成期1週間後に追肥を行うことが望ましい。

3 ) 診 断に基づく窒素施肥 対対 (図8)

図7 異なる茎葉ケイ酸含有率の圃場における窒素玄米生産効率(粗玄米収量/成熟期の吸収窒素量)と精米蛋白質含有率との関係[8]

注:1992年の北海道中央部と南部地域。

蛋白には施肥窒素量が大きく影 響 する(図9)。施肥量の 決定に当たり,水 稲 栽培地 帯を20地 帯区分に分け,各区分ごと低地土(乾),低地土(湿),泥炭土,火山性土,台地土の5土壌型別 に,基 標収量を2004~2013 年の 統統収量を基に,390~570 kg/10aに設定した。蛋白7%を目標に,その基 標収量に 対対 した全量全 層施肥による施肥 標標量を5.0~9.5 kg/10aとした。40℃1週間培養法 に よ る 可給給窒素量 か ら 土壌窒素肥沃度水 標を4 分 類 し,それぞれに 対対した施肥窒素 増増量(+0.5~ -1.0 kg/10a)を得た。

図8 施肥標準および診断に基づく窒素施肥対応の手順[9]

さらに,前年秋(9/1~10/31)および当年融雪後(4/11~5/10 )の 積 算降水量と日平均 気温10℃ 以 上 の 日 の 積算気温 か ら 水 熱 関 数 を 算 出し,平年よりも土 壌が乾燥している 農合に,乾土 効 果に 対対 した窒素 増肥を0~1.5kg/10a行う。また、 稲わら堆肥,家畜 糞堆肥および 稲わら直接 鋤 込 み な ど の 有 機 物 施 用 に 対 し て も 、 そ の 種類別と連用年数から 0~2kg/10aの増肥も行う。なお,追肥とくに止 葉期以降の追肥は窒素の精米への利用率が高く,蛋白を高めるので行わない(図9)。

図9 追肥時期別の精米中の利用率と精米蛋白質含有率[10]

4)初期生育促進

(1 )初期生育と精米蛋白 質 含有率; 稲体窒素含有率と蛋白との 間 には出 穂期以降では正の相 関関関 が 見 られるが,幼 穂形成期には一定の関関が無いことから,蛋白を高めないで窒素を吸 収させることができるのは幼 穂形成期までと思われる(図10 )。また,全生育期 間の窒素吸収 量に 対 する割合は,幼 穂形成期よりもさらに早い移植 1ヶ月後で高いほど蛋白が低くなる(図11)。以上のことから,蛋白を低下させるためには初期生育を促 進し,できるだけ生育前半に窒素を吸 収させることが重要である。

(2)育苗と栽植密度;初期生育を良くするには,まず健苗の育成が重要である。健苗が備える特 徴としては,草丈が短い, 葉葉 が基 標に達している,地上部が重く充 実している,第一鞘高が短い,本 葉第2葉の葉身が短い,成苗では分けつがあるなどである。一方,移植 時の深植や移植後の植 傷みは初期生育を阻害する。そのため,健苗を可能な限り浅植することや強強あるいは低温が 見込まれる日の移植は避けることが必要である。

図10 生育時期別稲体窒素含有率と精米蛋白質含有率との間の関係[11]

図11 生育初期における窒素吸収割合と精米蛋白質含有率との間の関係[12]

また,北海道は生育期 間が制限されるため,適期内の早植えを励行する。栽植密度は基 標を守り,m2 当たり中苗で25株以上,成苗で22~25株とする。さらに密植することで初期生育が促進され蛋白が低下し,その低下の程度は, 慣行栽培で蛋白が高い圃 農ほど大きい 傾向がある(図12)。

(3)水管理;5月下旬から7月中旬までの最高水温は最高 気温よりも 3~5℃高く,最低水温は最低 気温よりも 約3℃高い[14]。初期生育は水温の影 響が大きいので,可能な限りその上昇を 図る。そのため,移植後は灌 漑用水と水田との水温差が小さい夜または早朝に入水し, 掛け流しは避ける。

図12 慣行区の蛋白質含有率と密植による低蛋白化効果との関係[13]

(4)側条施肥;施肥法では 側条施肥を 導入することにより,初期の窒素吸 収 を促 進する。全量側条 の 農合, 収量 を 低下 さ せ な い 範範 で15% の窒素 増 肥が可能で,同 時に蛋白は0.5%ほど低下 する成 実 も得られている(図13)。しかし,初期生育の良好な地 帯および年次では,窒素吸 収が早すぎて 栄養 成 長期後半に窒素不足になる例もある。そのため, 側条施肥は全層施肥との 組合せにおいて窒素成分で3.0~4.0kg/10a程度とし,施肥 総窒素量を全量全 層施肥よりも0.5kg/10a増ずる。

図13 全量側条施肥による窒素減肥が収量および精米蛋白含有率に及ぼす影響(全層施肥に対比した場合)[15]

注:1996~1998 年,北海道立中央 農業試農農 と上川 農業試農農 のデ ータによる。

(5)防強対策; 移植後 に 強 が 強 い と 蒸 開 散の 気化熱 により水温の上 昇が抑えられ,初期生育を阻害する。そのため, 強 の 強い地域では蛋白が高い 傾向がある(図14)。そこで,それら地域では防強施 設を 設置することにより,水温の上 昇 を 図 る。そのことにより,初期生育促進され蛋白が低下する(表3)。

図14 分げつ期の風速と精米蛋白質含有率との関係[4]

注:北海道15地域における1991~2006年の平均による。分げつ期は6月で強速は2~3市町村の平均。*,**:それぞれ5,1%水標で有意。地域

表3 防風処理が初期生育と収量、精米蛋白質含有率に及ぼす影響[16]

注:*1:幼穂形成期の茎数,*2:幼穂形成期まで,1997~2000 年の4ヶ年の平均 値 。北海道立中央 農業試農農 岩見沢試農 地での 調調。

きらら397 ほしのゆめ形質 処理 無処理 処理 無処理初期生育*1(本/m2) 643 532 622 585窒素吸 量*2(kg/10a) 3.9 3.1 3.7 3.0収量(kg/10a) 536 521 557 513精米蛋白含有率(%) 7.6 8.4 7.5 8.3収

5 )深水 潅漑 による不稔 開生回避

不稔 歩合が高まると蛋白は上 昇 する(図15 )。これは,不稔 開 生により稔 実実 数が 増少し,1実 当たりに分配される窒素量が 増えるためである。冷温による不稔 開 生の危 険期は 穂ばらみ期と 開花期であるが,前者の影 響がより大きい。冷温による不稔 開生の回避策としては,幼 穂形成期から冷害危 険 期(葉 耳 間長-5~+5cm)の前までの前 歴深水とその後の冷害危 険期での深水を励行し,稔 実に十分な充 実花粉数を 確保することである。前 歴 と危 険期での水深が深く水温が高いほど,稔 実歩 合が高くなるが(図16),指 導における水深はそれぞれ 10cmおよび18~20cm である。また, 過過な窒素施与は冷害危 険 期の 稲 体の窒素含有率を高め,不稔が 開生し易くなる[18]ため,避けることが肝要である。

図15 不稔歩合と精米蛋白質含有率との関係[4]

注:北海道15地域,1991~2006 年のデ ータによる。

図16 幼穂形成期から穂ばらみ期にかけての前歴深水と冷害危険期深水による冷害防止[17]

注:前 歴は幼 穂 形成期から冷害危 険 期前迄,冷害危 険期は 葉 耳 間長-5~+5cm 。冷害危 険期5日間で水温18℃処理。

6 )登熟期 間 の土 壌水分

落水 時期は一定時期をこえて早いほど千粒重が小さく低 収化し,蛋白も高くなる(表4)。そこで,出 穂始めは浅水にして,土 壌にヒビが入る前に入水するという 間断灌漑 を 繰り返し,出 穂後25日の穂屈み期に落水する。

表4 異なる落水時期における精玄米収量と品質[16]

注:1998~2000年の平均。慣行は出穂後3週目以降に落水。

落水 期 精玄米収量時/kg/10a 千粒重/g 精米蛋白質含有率/%止葉期 412 21.0 6.5出穂期 512 21.3 6.1出穂後1週 584 21.7 6.2慣行 586 21.6 6.2

落水後にも,土 壌 乾燥が 進んでPF値が2.5以上になると 収 量や品 質に 悪影 響を及ぼす。そこで,PF 値で2.1~2.3(土壌含水比で58~66%),土 壌の表面に小さい 亀裂が生じてわずかに足跡がつく状 給 を目 処 に水分を 維持する(表5)。これらにより登熟期の土 壌 水分を 適正に保つことにより千粒重を重くすると低蛋白化が 図れる(図17)。

表5 登熟期間の土壌水分状態(PF)が収量と品質に及ぼす影響[19]

注:○:好適,▲:境界領域,×:不適。PF2.1~2.3は土壌含水比のグライ土58%、褐色低地土66%に相当。

落水後 土壌観察 与える影響登熟期間の土壌PF収量 産米品質2.5以上 作土に深 亀 稲が 察 × ×い大 裂が生成、水 根の切断観2.4程度 作土に幅1cm 亀 跡くらいの 裂多数、足 がつかない ▲ ×表面に小 裂生成、わずかに足 がつく ○ ○2.1以下 亀 瞭 跡2.1~2.3 亀 跡表面のみ乾燥、 裂微、明 に足 が残る - -

図17 千粒重と精米蛋白含有率との関係[4]

注:北海道15地域,1991~2006 年のデ ータによる。**:1%水標で有意。

7)稲わらの搬出と圃農の乾田化

収収 後,圃 農 に放置された 稲わらをそのまま 土 壌 に 鋤 き 込 む と , 土 壌 壌 元 を 生 じ さ せ 稲 の根の活性や生育を阻害する。例えば,藁搬出(無施与),堆肥施与,秋と春の 鋤込 みにおける 収量と 変変関 数を比べると,堆肥区が 収量は最高で変変関 数も最小で,次が秋 鋤込み区であった。春 鋤 込 み 区 で は 搬 出 区 よ り 多 収 で あ る が 収 量 変変が大きかった。蛋白は藁搬出区が最も低く,次いで堆肥区,秋 鋤込 み区,春 鋤込 み区の 順であった(図18 )。以上から, 稲 藁の 処理では堆肥化が最も良く, 鋤込 む 農合は春ではなく秋に行うことが重要である。

図18 褐色低地土圃場での有機物無施用と連年施用圃場における玄米収量と精米蛋白含有率[20]

透排水が不良な圃 農では,春始めの地温上昇 が 遅 く , 土 壌 中 へ の 酸 素 供 給 が 悪 く , 有 害 物質が滞留し,初期生育が不良化する。そのため,暗きょ排水や心土破 砕などにより水田の透排水性を良くする。さらに,融雪 剤の散布や 弾丸暗きょまたはサブソイラをかけるなど圃 農を乾かすことにより,土 壌窒素の早期有 効化を促す。

8)技 術 の影 響 度;これまで取り上げた技術項目を北海道におけるアミロ ースと蛋白への影響度からみると,アミロ ースについては品 種の影 響が大きく,栽培技 術 では出 穂を早めることが重要である。蛋白では前述した技 術の中から,とくに土 壌型,窒素施肥,初期生育促 進および不稔多 開を防ぐ深水灌 漑の4つが大きい。ただし,この影 響度は各栽培地域の作付け品 種,土壌型および 気 象 環 境で 変わるため,各栽培地域での 検検が必要である。

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Study on cultivation techniques of good taste rice in cold region of Hokkaido in Japan (Japanese text)

Hisashi Tanno
(Hokkaido Rice & Wheat Improve Association, Sapporo Hokkaido Japan 060-0004)

Abstract: In the northernmost Japan, Hokkaido, where with cold climate and changeable environment, to product good taste rice, the cultivation techniques for reducing amylose content and protein content were developed.Although amylose content is affected by cultivated rice varieties largely, early planting and seedling with large leaf stage are used in order to increase temperature during grain filling period by hastening heading date, since during mature period, the amylose content decreases along with the increase of temperature.About protein content, referring to the standard rate of nitrogen fertilizer application, analyzing the climate in 20 cultivation areas and in each 5 soil types, the standard grain yieldis figured out based on previous grain yield and the target value of protein content is decided as below 7.0%.Amount of available nitrogen in soil, magnitude of air drying effect on ammonification, amount and duration of organic matter application are used to adjust that application rate.No top dressing, application of soil dressing in peat land and application of silicate fertilizer are needed.In order to increase initial growth, transplant ahead of time,close planting, shallow seedling, side dressing, and irrigating in the night or early morning to keep lower water temperature, wind break net and so on are used.The depth of water in the field can be increased during irrigation from panicle forming stage to booting stage in order to prevent occurrence of male sterility by cool weather.During grain filling period draining residual water at the proper time and after that retaining proper soil water are needed.Using rice straw after harvesting, compost is the best for high grain yield and low protein content and plowing-in is better in autumn than that in spring.

Key words: good taste rice; northernmost Japan; protein content; amylose content; cultivation techniques

中图分类号:T55-33

文献标识码:A

文章编号:1007-7561(2019)06-0018-08

网络出版时间:2019-10-29 17:34:37

网络出版地址:http://kns.cnki.net/kcms/detail/11.3863.TS.20191029.1734.002.html

DOI: 10.16210/j.cnki.1007-7561.2019.06.004

备注:本文的彩色图表可从本刊官网(http://lyspkj.ijournal.cn/ch/index.aspx)、中国知网、万方、维普、超星等数据库下载获取。

丹野久教授简介:日本北海道米麦改良协会,中心主任,博士,教授。从事稻米品质改良方面的育种栽培、品质变化、生产技术研究。发表学术论文25篇;参与培育了14个日本水稻品种;累计获奖14次:日本育种学会奖、日本作物学会论文奖、日本作物学会技术奖、北农奖、北海道科学技术奖、北海道新闻文化奖、北海道农业合作社梦幻大奖、中国云南省荣誉奖、中国作物学会栽培专业委员会荣誉奖。